0%

28 病院

病院

李:あら、佐藤さん。わざわざ来てくださったんですか。
佐藤:いや、近くに来る用があったもんで、ついでに寄ったんです。どうですか、具合は。
李:ええ、おかげさまでだいぶよくなりました。本当に、ご迷惑をかけて申し訳ありません。わたしのせいで、コンテストが台無しになってしまったんじゃないですか。
佐藤:とんでもない。。コンテストは大成功のうちに終わりました。
李:だったらいいんですが。
佐藤:健康第一です。十分休んでください。回復するまで、どのくらいかかりそうですか。
李:あと1週間ぐらいで退院できるそうです。わたし、病気なんてしたことがなかったから、本当にびっくりしちゃって…。健康だけには自信があったのに…。
佐藤:元気を出してください。いつか、何度失敗してもくじけないって勇気づけくれたのは李さんだったでしょう。
李:確かにそうですね。
佐藤:とにかく、今はゆっくり休んでください。あっ、これ。忘れるところでした。こんなものしか持ってこられなくて、すみません。
李:そんなこと言わないでください。うれしいです。ありがとうございます。
佐藤:何か欲しいものがあったら、遠慮らく言ってください。明日来るときに持ってきますから。
李:明日も近くに来る用があるんですか?

続きを読む »

26 地球温暖化

地球温暖化

近年、世界のあちこちで、異常気象が続いている。猛暑や豪雨、洪水、干ばつなどが起こり、台風やハリケーンもその規模と被害が拡大している。これは地球温暖化が住んでいることと関係があるといわれている。
ここ100年で地球の気温は約0.6度上昇した。南極や北極、高い山などの氷が溶けて海水の量が増え、海面が上昇している。これまでの100年で10~20cm高くなったが、2100年までには、さらに最低でも9㎝、最高で88㎝高くなるだろうといわれている。海面が上昇すれば、低い土地は水につかってしまう。すでに
では、なぜ地球の気温は上がっているのだろうか。地球を包む大気には、温室効果ガスが含まれていて、このガスが地球を一定の暖かさに保っている。しかし、ガスが増えすぎると、地球の気温は必要以上にあがてしまうことになる。温室効果ガスにはいろいろあるが、いちばん大きな影響を及ぼしているのが二酸化炭素である。二酸化炭素は発電や工場での生産、自動車の排気ガスなどで大量に排出される。つまり、わたしたちの生活が便利になればなるほど二酸化炭素が増えるということだ。一方、砂漠化や森林破壊によって、二酸化炭素を吸収源が激減していることも、温暖化が急速に進む要因となっている。
1980年代の終わりごろから、世界中の人々が地球温暖化の問題を認識し始めた。国や企業ではさまざまな取り組みを始めた。省エネタイプのエアコンや冷蔵庫、自動車などが作られ、風力や太陽の光などを利用して二酸化炭素をほとんど出さずに電気を作る研究を進められている。また、各国の政府は植林活動を通じて、二酸化炭素を吸収する森林を増やそうとしている。
このような努力にも関わらず、先進国の二酸化炭素排出量が少なかった国々でも急激に増えてきている。
今、世界中の国々が協力して対策を講じなければ、ますます温暖化が進み、地球はわたしたち人類が住むことのできない星になりかねない。
続きを読む »

26 イベント前夜

イベント前夜

大山:これが、上海ノーストンホテルのイベントホールか。さすが上海一の高級ホテルだけあって、すばらしい会場ですね。
野田:ええ。それにこのホテルは、環境問題に熱心に取り組んでいることでも有名なんです。省エネの取り組みが評価
されて、政府から表彰されているんですよ。
王:ちょっと厨房を見てきます。そろそろコンテストに使うための食材が到着しているはずですから。
大山:わたしも、ごいっしょしていいですか。こう見えても、力仕事には自信があるんです。
王:ありがとうございます。でも、こちらは大丈夫です。食材のチェックと打合せだけですから。
大山:そうですか…。ほかに何かお手伝いできることはありませんか。
野田:あっ、じゃあ、会場の最終点検をいっしょにお願いできますか。
大山:ええ、喜んで。
野田:助かります。人手が足りなくて困ってたので。
大山:あれっ、そういえば、李さんの姿が見えませんね。
王:李主任なら、張一心のマネージャーとの打ち合わせで、香港に行っています。今夜の最終便で戻る予定です。
野田:佐藤サンは?佐藤さんも香港ですか。
大山:佐藤さんなら、本社から来た重役たちの相手です。事務所で明日の段取りを説明していますよ。何で香港だと思ったんですか。
野田:だって、あの2人を見ていると何だかじれったくて…。
王:あっ、そういうことですか!
野田:気づかなかったんですか?王さんったら、本当に鈍いんだから。

続きを読む »

25 日本の寿司から世界のSUSHIへ

日本の寿司から世界のSUSHIへ

今、世界中で寿司が大人気だ。中国をはじめとしたアジアの国々、ヨーロッパやアメリカ、中東、ロシアなどにも、数えきれないほどの日本食レストランがある。また、大都市のスーパーでは巻きずしや握り寿司が普通に売られている。中国には、北京、上海などの大都市はもちろん、小さな地方都市にも寿司屋がある。長い間、生の魚を食べる習慣がなかったが、最近では生魚の寿司を好む人も多くなって来ている。
外国で売られている寿司は、文化の違いに応じた「創作料理」になっていることが多い。日本人から見ると、寿司だとは思えないものもたくさんある。例えばアメリカでは、黒くて紙のようなのりが気持ち悪いと嫌がる人が多く、のり巻きはご飯を外側にして巻く「裏巻き」というスタイルで普及している。アボカドやカニカマを裏巻にしたものや、裏巻の外側をサーモンやマグロで巻いたものも人気だ。辛いソースにつけたマグロが入ったものもあれば、魚を使う代わりに、フライなどこってりとsっひたねたを使った巻寿司もある。生ハムとチーズを使った巻き寿司もあるという。日々新しい「創作寿司」っが考案され、それぞれの店が創意工夫をこらしている。
これらの寿司は従来の日本の寿司と大きく異なることから、日本の伝統料理としては認められないという意見もある。だが、日本でもイタリアのパスタをアレンジした、たらこスパゲッティや納豆スパゲッティがあるように、食べ物はその国の状況に即して変化するものなのだ。
もともと寿司の楽しみは、その土地のうまい魚を食べることにある。江戸前ならぬ、アメリカ前、ニュージーランド前の寿司をその土地スタイルで楽しむのもよいのではないだろうか。そして、そういった新しいスタイルのSUSHIが今、日本へと逆輸入され始めている。
続きを読む »